Nature ハイライト

生物工学:より安全なGMOを作るための2つのルート

Nature 518, 7537

非天然アミノ酸に依存して生存するような遺伝子組換え生物(GMO)について、今回2つの研究グループがそれぞれ異なる手法を報告している。こうした手法は、生物学的封じ込めや、これまで標本が抽出されていない適応度景観の調査に応用できるかもしれない。G Churchたちは、変化させた遺伝コードを持つ生物(大腸菌)で、生存のために非標準的アミノ酸に代謝的に依存するよう必須酵素を再設計した。その結果生じたGMOは、自らに備わった生物学的封じ込め機構を代謝的に回避することができず、また、進化的逸出をかつてないほど起こしにくい上、ごく少数が環境に逸出したとしても非組換え生物にすぐに打ち負かされることが分かった。一方、F Isaacsたちは、多重自動ゲノム工学法(MAGE)を使って必須遺伝子の発現を外部から供給される合成アミノ酸に依存させることで、増殖が制限される一連のゲノム再コード化生物(genomically recoded organism;GRO)を作り出した。構築した合成栄養要求株は、環境との間の翻訳直交性の障壁がこれまでよりも高く、より安全なGMOとなった。

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