Nature ハイライト

植物科学:植物で新しく見つかった防御分子

Nature 525, 7569

植物は、病原体のような環境中の危険因子に対抗するためにさまざまな低分子化合物を合成している。今回、E Sattelyたちは、このような代謝産物のこれまで知られていなかったファミリーをシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)で見つけ、それらを作り出す完全な生合成経路の特徴を明らかにした。このファミリーで見られる重要な代謝産物は4-ヒドロキシインドール-3-カルボニルニトリル(4-OH-ICN)である。面白いことに、4-OH-ICNはシアン化物生成活性を持っており、この活性は植物では前例がなく、自然界でもまれなものである。さらに、4-OH-ICN生合成経路に変異が生じた植物は微生物病原体に対する感受性が上昇するので、4-OH-ICNは植物の病原体に対する免疫を強化しているらしい。4-OH-ICNは、よく研究されているカマレキシンと共に、幅広い抗真菌および抗菌防御の一部として働いていると、著者たちは考えている。

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