Nature ハイライト

地球科学:深部マントルの低速度領域を鉄で解決する

Nature 551, 7681

地球の核–マントル境界の上には大きな超低速度領域が存在し、そこを通過する地震波の速度はその周囲の物質を通過する場合より著しく遅い。超低速度領域の組成と起源はよく分かっていない。今回J Liuたちは、水素を含む過酸化鉄FeO2Hxを生成する高温高圧における鉄と水との反応について報告している。生成された過酸化鉄は、密度とポワソン比が比較的高く、音速が極めて遅い。著者たちは、最下部マントルで観測される超低速度領域の地震波特性と体積を、この反応で説明できる可能性があると示唆している。おそらく沈み込んだ含水鉱物によって運ばれた地球の海水の約10分の1の質量の水と、地球の核内に事実上無限に存在する鉄リザーバーとの間の反応を含め、このような反応はありそうなことと思われる。

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