Nature ハイライト

進化学:四肢類系統樹の基部がより複雑に

Nature 546, 7660

欠脚類は特殊化した絶滅両生類であり、伸長した体と退化した四肢を特徴とする。欠脚類は通常、空椎類クレードという、羊膜類にやや近縁な両生類の特異な分類群内に位置付けられており、こうした生物の1つにレティスクス(Lethiscus stocki)がいる。レティスクスは、デボン紀の原始的な大型の初期四肢類とその後の時代の生物とを隔てる前期石炭紀の「ローマーの空白」の後に出現したものの中で、既知で最古の四肢類である。今回J Andersonたちは、レティスクスの化石標本をデジタル解剖し、この動物群を進化系統樹上で四肢類の基部へと近づけるような一連の新たな特徴を明らかにしている。これにより、最初期の四肢類の形態が従来考えられていたよりはるかに多様であったことが示された。今回の知見で、羊膜類についても多少の再定義が必要とされる。

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