Nature ハイライト

細胞生物学:細胞膜からアクセスできる脂質シグナル伝達受容体

Nature 548, 7667

リゾホスファチジン酸(LPA)受容体はGタンパク質共役受容体(GPCR)のグループの1つで、がんや繊維症の発症に関係がある。6つのLPA受容体は、LPA1–LPA3の3つと、最近発見されたLPA4–LPA6の3つからなる。LPA6遺伝子の欠損は先天性乏毛症につながるなど、LPA4–LPA6は薬剤標的候補として関心が持たれているが、構造データがないことがこの分野の研究を妨げてきた。今回、濡木理(東京大学ほか)たちはゼブラフィッシュLPA6受容体の結晶構造を報告している。構造には細胞膜の方を向いて開く珍しいリガンド結合ポケットが含まれていて、著者たちは、脂質リガンドは側方にあるこのポケットに結合すると考えている。この研究から、LPA受容体のリガンド認識についての情報が得られ、これは将来の創薬への取り組みに役立ちそうだ。

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