Nature ハイライト

顕微鏡学:細孔とゲスト分子の関係

Nature 450, 7170

メソスケール、すなわち直径が数百ナノメートルの細孔をもつメソ多孔質材料には、貯蔵、分離、触媒変換など多くの用途が考えられるが、そのほとんどは「ゲスト」分子の細孔を通る拡散に依存している。しかし、ゲストの動きと材料の構造とを関連づける方法が存在しなかった。だが、電子顕微鏡法と光学的な単一分子追跡法とを組み合わせて、メソ多孔質材料中の分子拡散を視覚化する技術が開発され、この状況が変化しそうだ。ゲスト分子(今回は色素)がホストの構造的特徴に合わせてナノメートルスケールで速度や方向を変えるのを、初めて「見る」ことができるようになったのである。これによって、メソ多孔質固体の特性の解明が進むと考えられる。

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