Nature ハイライト

がん:皮膚がんサブタイプのゲノム塩基配列解読

Nature 545, 7653

黒色腫は非常に転移しやすいがんで、変異荷重が高く、いくつかのサブタイプのシグネチャーは紫外線照射への曝露と関連していることが多い。G Mannたちは今回、黒色腫患者に由来する腫瘍試料(75例の原発腫瘍、93例の転移腫瘍および転移腫瘍に由来する15例の細胞株)について全ゲノム塩基配列解読を行った結果を報告している。皮膚、末端および粘膜の3つの黒色腫サブタイプ間でそれらのゲノム全体像を比較したところ、サブタイプごとに異なる変異シグネチャーが明らかになった。皮膚黒色腫は、紫外線照射曝露に関連した変異シグネチャーを示していたのに対し、末端および粘膜の黒色腫は変異量がより少なく、他の黒色腫サブタイプに比べて複雑な構造再編成がより多く見られた。全ての黒色腫サブタイプについて全ゲノム解析を行い、その変異の全体像を理解することは、黒色腫の予防と標的治療の研究に重要である。

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