Nature ハイライト

量子物理学:量子系に触れる

Nature 538, 7626

量子力学における測定では、波動関数の収縮が起こるため、2つの非可換変数の同時測定は、古典的な系の場合よりはるかに困難である。それに加えて、非可換変数はハイゼンベルクの不確定性原理に支配されているので、こうした変数を測定できる精度は基本的に制限される。今回、共振器中に置いた超伝導キュービットにおいて、2つの非可換オブザーバブルの同時測定時に起こることを調べる方法が開発された。著者たちは、非破壊測定を通してこの系を連続的に観察し、系のダイナミクスが不確定性原理に支配されており、異なる位相の波動関数収縮が存在することを見いだした。量子系を操作するさまざまな方法が得られることから、量子制御の新たな可能性が、また、複数の非可換特性の同時測定ができるようになる可能性があることから、量子計測の新たな可能性が、今回の知見によってもたらされるかもしれない。

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