Nature ハイライト

がん:転移の際に起こるリンパ管新生の画像化

Nature 546, 7660

リンパ節は、黒色腫を含むさまざまな種類のがんに共通して見られる転移部位である。しかし、黒色腫患者の生存率はセンチネルリンパ節を除去しても必ずしも改善しないため、リンパ管新生の転移進行への関与はよく分かっていない。今回著者たちは、VEGFR3レポーターを発現しているリンパ管を追跡できる「リンパ管レポーター」マウスモデルを開発し、これを使って再発時の転移ルートを画像化している。さらに、ミッドカインがリンパ管新生のメディエーターであることが突き止められ、これが転移に関与していて、黒色腫患者の予後不良の指標となることも分かった。VEGFR3レポーターは、他の転移ドライバーや転移阻害因子の探索にも使えそうだ。

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