Nature ハイライト

がん:がん抑制におけるBAP1の新規な役割

Nature 546, 7659

BAP1はがん抑制因子であり、ぶどう膜黒色腫や中皮腫などのいくつかの悪性腫瘍ではBAP1に生殖系列変異が見られる。BAP1のがん抑制活性は、核内でBAP1が担うゲノムの完全性を維持する役割によるものとされてきた。今回、BAP1が小胞体で果たす新しい役割が明らかにされ、小胞体のBAP1はカルシウムの流量を調節して、アポトーシスの実行を促すことが分かった。BAP1の機能が失われると、DNA損傷の蓄積した形質転換細胞でアポトーシスが妨げられる。この結果は、環境からの発がん作用に対するがん抑制因子という、BAP1の新しい役割を明らかにしている。

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